2026年9月2日と9月11日の2回にわたり、東京すし和食調理専門学校さまで講義を担当しました。
9月2日は2年制の2年生、9月11日は3年制の2年生のみなさんが対象です。
テーマは「五感で感じる 奥多摩のわさび」。
TOKYO WASABIの3人でパートを分担し、わさびの栽培から扱い方、そして食材との組み合わせまで、実際に食べてもらいながらの授業になりました。

きっかけは、数年前に教わった先生から
授業の進行はひとしが担当しました。
まず、今回の講義が実現した経緯ですが、実はひとし自身が数年前に寿司を学んでいた時期があり(寿司アカデミーという別の学校です)、そのときに教わったのが島田先生でした。
今回はその島田先生からお声がけいただいての講義です。
教わる側だった人間が、数年後にわさびの話をしに教壇へ立つ。
不思議なご縁だなと思いながらのスタートでした。
わたしたちがわさび栽培を始めた経緯も紹介しました。
2019年の台風で、奥多摩のわさび田は数多く壊れてしまいました。
翌2020年、そのうちの一つを借り受け、崩れた石垣を直すところから、わたしたちのわさび栽培は始まっています。
わさびは沢の水と環境がそのまま味に出る作物で、収穫までには1年半から2年以上かかります。

食べ比べで知る、わさびの奥行き
続いてたっちゃんが、わさびの扱い方を実技を交えて解説しました。
下処理の手順、茎の取り方、すりおろす向きや力加減、切り方によって変わる食べ方などなど。
そしていちばん盛り上がったのが、条件を変えながらの食べ比べです。
おろし金を変えて、同じわさびをすりおろしてみる。
品種を変えて、同じおろし方で食べ比べてみる。
同じ一本でも、道具ひとつ、品種ひとつで、辛みの立ち方も香りも驚くほど変わります。
この違いは言葉で説明するより、実際に口にしてもらうのがいちばん早い。
教室から声が上がる瞬間が、何度もありました。
これから現場に立つみなさんにとって、目の前の一本をどう扱うかは、そのまま料理の仕上がりに直結します。
産地の人間だからこそ伝えられる部分を、できるだけ具体的にお渡ししたつもりです。

わさびに合う食材を、自分の舌で探す
後半は、食材ペアリングの演習です。
生魚、焼き豚、プリン、ヨーグルト、バニラアイス、フルーツ数種類。
グループごとに実際にわさびを合わせてもらい、いちばん合う食材と合わない食材、そしてその理由などを発表してもらいました。
予想を裏切る組み合わせに教室がざわつく瞬間があって、こちらも毎回楽しませてもらいました。
私たちも試したことのないペアリングもあったので、新たな発見にもなりました。
わさびの可能性を、頭ではなく舌で感じてもらえたならうれしいです。

世界には、日本食レストランが18万店
最後に、ももから「海外から見たWASABI」と「商品開発・フードトラック」について少しだけお話ししました。
世界には日本食レストランが18万店あると言われていますが、そのほとんどで本わさびは使われていません。
本物のわさびを扱えるということが、これから料理の世界に出ていくみなさんにとってどんな意味を持つのか。
そんな視点も、頭の片隅に置いてもらえたらうれしいです。
(ももはカナダの寿司レストランで働いていたことがあります)

あわせて、商品開発とキッチンカーの話も少しだけ。
わさびを育てていると、すりおろす根茎のほかにも食べられる部分がたくさんあることに気づきます。
フードトラック「わさび食堂」では、看板メニューのわさび丼のほかは、葉や茎を使ったメニューがほとんど。
ソーセージドッグやクッキー、いまは提供していないスムージーも、根茎以外の部分から生まれたものです。
一本のわさびをどこまで使い切れるか。
産地で考えてきたことが、これから現場に立つみなさんの引き出しのひとつになればうれしいです。


奥多摩のわさびを実際に見て、その場で味わってみたい方には、わさび体験ツアーもご用意しています。
おわりに
貴重な機会をくださった東京すし和食調理専門学校のみなさま、そして最後まで真剣に耳を傾けてくれた学生のみなさん、ありがとうございました。
TOKYO WASABIでは、学校や企業向けの講義・研修も承っています。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
